「少し動いた」がくれた安心|顔面神経麻痺19日目

「少し動いた」がくれた安心|顔面神経麻痺19日目

今日で、顔面神経麻痺を発症してから19日が経ちました。

長いようで短いような、不思議な時間の流れの中にいます。
普段なら何も考えずにできていたこと——顔の表情、笑顔、瞬き。
それら一つひとつが「できなくなる」という経験は、自分の生活だけでなく、気持ちにも、仕事の考え方、向き合い方にも大きな影響を与えるものでした。

昨日の疲れ、今日の気づき

昨日は久しぶりに少しハードな1日でした。
仕事が重なり、いつもよりも動く量も多くて、帰る頃には「ちょっと無理してしまったかな」と感じるくらいの疲労感。

その疲れは、顔や神経の回復とは関係ないように思えて、実はちゃんと関係しているのだろうなと。
「またやってしまった……妻には内緒にしておこう。」なんて思ってしまいました。

神経の回復には、体全体のコンディションが影響します。
疲れやストレスが蓄積されると、回復のスピードも鈍ってしまう。
理学療法士として頭ではわかっていたことが、いまは自分の身を通して深く染み込んできます。

仕事復帰も焦らず。周りにも理解してもらう。継続していきます。

「動き出す」喜び

そんな中で、ここ数日で明らかに変化がありました。

これまでまったく動かなかった右側の顔の筋肉が、ほんの少しですが反応を見せてくれるようになったんです!!
右の頬の筋がピクッと動いたり、まぶたを閉じるときの眼輪筋がわずかに反応したり。

たったそれだけのことなのに、まるで希望の光が差し込んできたような気持ちになりました。

神経のつながりがある。
今はまだ細く、弱々しい動きだけれど、そこに「生きている神経」があるということが、何より嬉しい。

このタイミングで筋肉の収縮が出てくるというのは、医学的にも予後の良いサインとされています。
発症から3週間以内に動きが戻り始めることは、神経のダメージが比較的軽度であることを意味する場合もあります。

実際に、ピクピクと動く様子を動画に収めてみました。
いつかブログにも載せられたらいいなと思っています。

こういう「小さな回復」を見える形で残しておくことは、自分にとっての励みにもなりますし、
同じように回復を目指している誰かにとっても、きっと希望の光になると信じています。

焦らず、でも「丁寧に」

ただ、動いたからといって、ここで無理をしてはいけないということも、重々わかっています。

顔面神経が傷ついた後、再生していく過程で時々起きるのが「異常連合」と呼ばれる現象。
たとえば、目を閉じようとすると口角が一緒に引きつってしまう、といったような不随意運動が起こることがあります。

だからこそ、いま大事なのは「たくさん動かす」ことではなく、「きれいに動かす」こと。
意識を向けて、ゆっくりと、正しい方向に、丁寧に動かす。
そうした小さな積み重ねが、神経の正しいつながりを取り戻すことにつながります。

日々を重ねるということ

正直、不安が消えたわけではありません。
このまま完全に治るのか、時間はどれくらいかかるのか、自分の顔は元に戻るのか。

でも、今日のように少しずつでも「変化」が見えると、前を向こうと思える。
焦らず、休みながら、自分の心に耳を傾けながら日々を重ねていけば、きっと大丈夫。
そう信じて、一歩一歩、回復の道を歩んでいます。

私が理学療法士として向き合う患者様たちの少しの変化に気づき、それを患者様に伝え気づいてもらうことも、とても大切なことなのでは。
と顔面神経麻痺はまた気づきをくれました。

この記録が、同じように顔面神経麻痺と向き合っている誰かの参考になったり、
少しでも励みになったりすれば嬉しいです。

また明日も、自分らしく過ごしていけますように。
最後まで読んでいただきありがとうございました。

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