仕事復帰して思わぬ落とし穴|ステロイド離脱症状と向き合った日
顔面神経麻痺を発症して13日目、ついに仕事復帰をしてみました。
不安もありましたが、職場の仲間が温かく迎えてくれて、本当に嬉しかったです。
ただ、その夜、思いがけない体調不良に見舞われ、翌日には「仕事へ行くかどうか」で本気で悩むことになりました。
結果的に「ステロイド離脱症状」というものが原因だとわかりました。
今日はそのときのことを、少し振り返ってみたいと思います。
職場復帰は想像以上にうれしくて、でも少し無理をした
久しぶりの職場。
いつものデスクに座り、同僚たちの顔を見るだけで、ほっとした気持ちになりました。
「大丈夫?」「無理しないでね」と声をかけてくれる同僚たちの優しさに、胸が熱くなりました。
「ああ、戻ってこれてよかったな」と思える瞬間でした。
けれど、その一方で「早く役に立ちたい」「できるだけ普通に仕事をこなしたい」という気持ちがどんどん強くなっていきました。
久しぶりの現場で、どこか“戦力外”に思われるのが怖かったのかもしれません。
そういった気持ちが知らず知らずのうちに自分を追い込んでいたのだと思います。
復帰初日だからこそ“セーブすべき”だったのに、つい無理をしてしまいました。
帰宅途中から体調悪化、夜には頭痛と嘔吐
業務自体はなんとかこなすことができました。
でも、帰宅途中から急に強い頭痛が襲ってきて、帰宅してからは立っているのもつらいほどに。
夜には何度も嘔吐を繰り返し、ついさっきまであった「充実感」は一気に吹き飛びました。
横になっても気持ち悪さはおさまらず、「これはちょっとおかしい」と感じました。
それでも翌朝になると、「仕事は休めない」という気持ちが先に立ち、体調が最悪の中で出勤の準備を始めていました。
「今日は必ず行きますから。何があっても」
そう妻に宣言していたのですが、今思えば完全に“正気じゃなかった”と思います。
妻の一言で立ち止まることができた
そんな私を止めてくれたのが、妻でした。
「お願いだから今日は休んで」
「休まなかったら家出します」
その言葉は本気でした。
妻は涙目で、今にも怒鳴りそうな勢いで私に訴えました。
その姿を見て、ようやく自分が「また自分を犠牲にしようとしていた」ことに気づきました。
あんなに「無理はしない」「健康が一番」と思っていたはずなのに、
気づけばまた“がんばりすぎる自分”に戻っていたのです。
反省しかありませんでした。
病気を経験しても、人ってなかなか変われないものですね。
診断は「ステロイド離脱症状」だった
結局その日は休みを取りましたが、体調はすぐには良くならず、2日経っても頭痛や吐き気が続いていました。
心配になって病院を受診したところ、「ステロイド離脱症状」と診断されました。
顔面神経麻痺の治療では、プレドニゾロンというステロイド薬を使用します。
私の場合も、高用量のステロイドを約1週間服用し、その後すみやかに終了しました。
このような急な中止や、投与終了から数日後に、以下のような離脱症状が出ることがあるそうです:
- 倦怠感
- 頭痛
- 吐き気・嘔吐
- 食欲不振
- 微熱感や全身のだるさ
私の症状も、まさにこれに該当していました。
ただの疲労や風邪ではなく、薬の影響だったと知り、少し安心したと同時に「知識があっても気づけないことってあるんだな」と痛感しました。
処方された吐き気止めと鎮痛薬で様子を見ることに。
人によっては、再度少量のステロイドを服用するケースもあるそうです。
少しずつ回復。次こそ無理せずに
体調不良から3日ほど経つと、少しずつ食欲が戻り、起き上がることもできるようになってきました。
それでも「完全に元気!」という状態ではなく、まだ体力は万全とは言えません。
明日、再び職場復帰をする予定です。
でも今度こそ、「無理せず」「できることだけやる」という姿勢を大事にしたいと思います。
職場に迷惑をかけないことはもちろん大切ですが、自分が倒れてしまっては元も子もありませんから。
おわりに
今回の体調不良は、「もう大丈夫」と思ったタイミングでの思わぬ落とし穴でした。
そしてまた、健康よりも仕事を優先しそうになった自分と、改めて向き合うきっかけにもなりました。
「無理しない」「がんばりすぎない」
言葉では簡単ですが、それを実際に行動に移すのは本当に難しいですね。
でも、こうして少しずつ失敗しながら、自分なりのバランスを探っていけたらいいなと思っています。
顔面神経麻痺やその治療を終えても、不調が続くことはあります。
もし同じような状況の方がいたら、どうか自分の体の声に耳を傾けてあげてください。
自分だけでは無理だと思ったら、信頼できる誰かに背中を押してもらってもいいと思います。
私も、また一歩ずつ、自分のペースで前に進んでいきます。
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