妻が双子を妊娠しました|死産と顔面神経麻痺を乗り越えて迎える新たな命

妻が双子を妊娠しました|死産と顔面神経麻痺を乗り越えて迎える新たな命

双子の報告を妻がしてくれたのは、息子を抱きながら、3人で食卓を囲んでいたときでした。
その日はちょうど病院の受診日。家族みんなでエコー画像を見ながらあれこれ話していたとき「双子」と妻が言いました。

顔面神経麻痺で右半分動かない顔を思いっきり歪めながら、息子が泣き出すほどの声量で「えーー!!!!」「まじーー!!」と何度も驚きました。


ここ1年くらいを振り返ってみると色々なことがありました。

2024年2月、18トリソミーと診断された2番目の息子を、妊娠17週で死産しました。
あのとき見たエコーも、あのとき感じた胎動も、僕らの判断も、その重みも、頑張ってでてきてくれた息子の姿はとっても愛くるしく、愛おしい姿でした。

命の重さ、はかなさ、向き合うことの難しさ。
それらを抱えながら日々を過ごしていた矢先、2024年3月中旬に僕自身が顔面神経麻痺を発症しました。ストレスや疲労、積もり積もったものが限界を超えた結果だったのかもしれません。

それでも仕事は止まらないし、子育ても待ってくれない。
表情がうまく作れない顔のまま、何とかいつも通りを装いながら過ごしていた4月末、今回の妊娠が「双子」だと分かりました。

2番目の息子が帰ってきてくれた様な、神秘的な気持ちになりました。

僕の顔面神経麻痺のことは忘れ去られました。笑
それでも家族と健康を優先に働くスタイルを続けています。


嬉しさの中にある「こわさ」

喜びと驚きが入り混じったあの日から、何度も心が揺れています。
ただでさえ妊娠というのは簡単なことじゃないのに、双子となるとリスクも負担も格段に増える。
そして、死産の記憶がどうしても頭をよぎってしまい余計に神経質になってしまいます。

「また、何かあったらどうしよう」
「喜びすぎるのが怖い」

そんな気持ちを、正直に言葉にするのは勇気がいります。
でも今回は、ちゃんと向き合いたい。
怖さや不安を抱えたままでも、新しい命を心から迎えたい。
とっても嬉しいよ!ふたりに会えるのを楽しみにしてるよ!


12月上旬、帝王切開で出産予定です

今回の出産は、妊娠36週にあたる12月上旬に帝王切開での出産が予定されています。
双子のため、経過を見ながらの3週間前からの管理入院となる見込みです。
約半数はもっと前に何かしらで入院になってしまうとのことです。

15週のいま現在も、妻の体調は不安定で、絨毛膜下血腫による出血が続いています。
医師からは「出血が多ければ、心拍を確認し、とにかく安静にするしかない」と説明されています。

夜中にトイレから戻ってくる妻の不安そうな顔や、朝起きたときに出血して不安が押し寄せている顔を見るたびに、僕も心がざわつきます。

無力さと、できることの少なさ。
「大丈夫だよ」と言いながら、自分の心もなだめているような気がします。

「とにかく家族みんなで力を合わせて、元気に産むぞ!」と励まし合っています。


日常の中で育っていく覚悟

いま1歳半の息子は、少し歩けるようになり、自我が芽生えだし、イヤイヤ期に突入する雰囲気がでてきました。
自宅安静の妻を休ませたいので、食事の準備、夜泣き対応、できるだけの家事を行っています。

その合間に、90分かけて通勤し、病院での仕事、後輩の育成、学術大会の開催の準備、非常勤講師としての授業準備も並行しています。

正直、余裕はあまりありません。
でも、ふとした瞬間に「3人の父になるんだ」という実感が心に浮かぶと、
その重みと喜びが入り混じって、静かに自分の覚悟が育っていく気がします。

「どんな名前をつけようか?」
「双子の顔、間違えちゃうかな?」
「息子は怒るかな? ふたりも一気に増えたら、もはや怒らないかな?」なんて楽しく話しています。

なにより、僕たち家族ならできると思うし、なんとかなるようになるしかないし、
双子が増えることがとっても楽しみで幸せ!
追い込まれると思うけど、嬉しい!!楽しみ!って、思っています。


弱さも不安も、ちゃんと見つめていきたい

あのとき顔面神経麻痺になったのは、「頑張りすぎたサイン」だったのかもしれません。
家族のことを思って、仕事をこなして、それでもどこかで自分を後回しにしていた。

だから今は、「無理しない努力」をしたいと思っています。
強く見せなくてもいい。
完璧じゃなくてもいい。
そのままの自分で、家族のそばにいたい。


最後に|この経験を、言葉に残しておきたい

双子妊娠という貴重な経験を通して、僕は今、過去と向き合いながら、未来に目を向けようとしています。

この文章を書いている今も、正直、不安はゼロじゃありません。
不安を感じすぎる僕だからこそ、人のいろんなことに気がつける。
そんな「人の気持ちが分かる」、思いやりのある家族を育んでいきたいと思います。

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