「頑張らない」を頑張った|ステロイド離脱症状からの仕事復帰1日目と、2日目の朝に思うこと
2日目の朝、通勤電車に揺られ、窓の外をぼんやり眺めながら、こうして文章を書いています。
昨日は、ステロイド離脱症状からの初めての仕事復帰の日でした。
緊張と不安、そしてほんの少しの希望が入り混じった朝。
身体はまだ本調子とは言えず、今日も決して万全とは言えないけれど、それでも昨日よりは、心も身体も少しだけ軽く感じています。
今こうして電車に乗っているというだけでも、自分にとっては大きな前進。
当たり前だった日常に少しずつ戻りながら、同時に自分の変化や、これまでの道のりを噛みしめています。
不安しかなかった前日
復帰を目前にした前日の夜は、正直あまり眠れませんでした。
「本当に働けるのか」「また体調が悪くなるかもしれない」「周囲に迷惑をかけてしまったらどうしよう」
そんな思考が頭の中をグルグルと巡り、目を閉じてもなかなか寝つけませんでした。
何度もシミュレーションを繰り返して、「大丈夫」と自分に言い聞かせても、不安は簡単には拭えません。
仕事に戻る準備はしていたつもりだったけれど、やっぱり現実が近づくにつれて心はざわついていきました。
でも、どこかで「行ってみないとわからない」とも思っていました。
“挑戦”というと大げさだけれど、“試してみる”という気持ちで、なんとか朝を迎えたのです。
「頑張らない」を意識した1日
昨日の自分に課したテーマは、「頑張らないこと」でした。
普段から真面目な性格で、仕事となるとつい全力で取り組んでしまう。
けれど、今はその「いつもの頑張り」が、自分の体調を崩す原因にもなりかねないとわかっていたから、あえて意識して力を抜くようにしました。
「ゆっくり歩く」「ゆっくり動く」
そのシンプルな行動を一つひとつ丁寧に守ることで、自分を守る時間だったとも言えます。
患者さんとの会話も、少しだけ甘えさせてもらいました。
いつもなら、つい会話が弾んでしまい、気づけば疲れてしまっていることが多かった。
だから昨日は、あえて話しすぎないようにして、ほんの少し距離をとるようにしました。
それでも、嫌な顔をする人は誰もいませんでした。
むしろ、これまで自分が「もっと話さなきゃ」「明るく振る舞わなきゃ」と、必要以上に頑張っていたのかもしれないと気づかされました。
「できた」という感覚と、帰宅の安堵
一日が終わったときの、あの解放感は忘れられません。
帰りの電車でも、「途中で体調が悪くなったらどうしよう」という不安が少し残っていましたが、無事に家にたどり着けたとき、ふうっと深く息を吐くことができました。
玄関を開けた瞬間、自然と肩の力が抜けて、身体も心もふっと軽くなった気がしました。
「一日できた」という事実は、自分にとって大きな意味を持っていました。
特別な何かを成し遂げたわけではないけれど、ただ仕事をして、無事に帰ってこられたということ。
その一歩一歩が、これからの自信につながっていくと信じています。
その夜は、ほどよい疲れと安心感に包まれて、いつもより深く眠ることができました。
「なんとか」で、いい
昨日の体験を通して、一番強く感じたこと。
それは「完璧じゃなくていい」「“なんとか”で十分だった」ということでした。
体調を崩すと、どうしても「早く戻らなきゃ」「普通にできなきゃ」と焦ってしまいがちだけれど、
病気や不調からの回復は、思った以上に時間がかかるものだし、身体と心が同じスピードで回復するとは限りません。
心が前向きになっていても、身体がついてこない日もあるし、逆に身体は元気でも気持ちが沈む日もある。
でも、それでいいんだと思えたことは、自分にとって大きな収穫でした。
2日目の朝、また一歩
今、2日目の電車の中にいます。
まだ少し、不安はあります。
けれど、「昨日できた」という記憶があるだけで、今日の背中をそっと支えてくれています。
今日もまた、“なんとか”でいこう。
深呼吸して、肩の力を抜いて、自分のペースを大事にしながら。
そんなふうに自分に声をかけて、一歩ずつ進んでいけたら、それで十分だと思っています。
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