顔面神経麻痺から1ヶ月|回復の兆しと検診で見えた今後の見通し
発症から1ヶ月が経ち、病院での定期検診を受けてきました。
顔面神経麻痺を発症したときには、「このまま戻らなかったらどうしよう」という不安で頭がいっぱいで、1ヶ月後の自分の姿がまったく想像できませんでした。それでも毎日、自分の顔と向き合って、少しずつ回復の兆しを探し続けてきました。
今日の検診では、医師の客観的な評価と、今後の方針を聞くことができました。その内容と、僕自身が感じている変化について、書き残しておこうと思います。
現在の症状と回復の様子
最初に変化を感じたのは、「まぶた」でした。発症から約20日が過ぎた頃、うっすらと瞼がピクピクと動くようになり、それが少しずつ強くなっていく感覚がありました。いまでは軽く目を閉じることができる程度にまで回復しています。完全にしっかり閉じるにはまだ力が足りませんが、この“少しずつ動きが強まっていく”感覚は、自分にとって非常に心強いものでした。
次に動き出したのが、頬を引き上げる筋肉です。笑おうとしても片側の口角が上がらなかった時期から、気づけば少しずつ引き上げられるようになってきて、笑顔に近い表情を作ることができる日もあります。
そしていま、ようやく「顎を引き下げる筋肉」にも反応が見られるようになってきました。具体的には、下唇のあたりがほんのわずかにピクピクと動くようになってきたのです。この動きは、これまでの瞼や頬の時と似ていて、最初はごく微細な“ピクピク”から始まり、日を追うごとに少しずつ強くなっていった経験があります。
だからこそ、今回も「この動きはこれから強くなるはずだ」という希望を持つことができています。
理学療法士としても、筋肉がピクピクと動き出しているということは、神経の連続性が保たれている証拠であり、回復の可能性が高いと判断しています。これは臨床でもよく見られる経過で、たとえ動きが小さくても「動き出した」ということが回復への大きなステップになります。
これまでの治療とその効果
発症直後から処方されたプレドニゾロン(ステロイド)を10日間内服し、その後はメコバラミン(ビタミンB12)とアデホスコーワ顆粒を現在も継続しています。プレドニゾロンの服用中には一時的に副作用も感じましたが、その後は特に大きな副作用もなく、無理なく服用を続けられているのが幸いでした。
薬に加えて、自分なりに行ってきたケアとしては、表情筋を無理に動かさないように注意しつつ、動く筋肉を筋ごとに丁寧に動かすことを意識してきました。また、皮膚や筋肉の伸張性が低下しないように、マッサージやストレッチを行うことで、筋肉が硬くならないように工夫もしてきました。
顔が思うように動かないというのは、ただ「表情が作れない」というだけでなく、心理的にも非常に大きなストレスになります。けれど、こうした日々の積み重ねが、神経の再生を助けてくれていると信じて、今もコツコツと続けています。
今後の治療と予後について
今回の検診で言われたのは、「このままメコバラミンとアデホスコーワの服薬を続けつつ、神経の回復を焦らず見ていきましょう」ということでした。特別な新しい治療が必要なわけではなく、神経の自然回復を支えるためのケアを継続するという方針です。
理学療法士としては、これに加えて、今まで実践してきた皮膚や筋肉のマッサージ、そして無理に動かさず回復してきた部分を筋個別に動かすことを、これからも地道に続けていこうと考えています。
予後についても、「1〜3ヶ月の間に少しずつ動き出す人が多く」、今まさに“その時期に入っている”という実感があります。完全な回復には半年以上かかることもあるとのことですが、動き始めたことは確かな前進。医師からも「焦らず、でも諦めずに続けましょう」と励まされました。
焦らず、でも諦めずに
正直なところ、「もう1ヶ月か…」と感じてしまったのも本音です。思っていたよりも動きが少なく、「もっと早く回復してほしい」という焦りもありました。でも、今日の診察で「ちゃんと反応が出ている」「回復はしている」と言ってもらえたことが、今の自分にとってはとても大きな支えになりました。
顔面神経麻痺は、見た目の変化もあるため、人との関わり方や気持ちの面でも揺れることが多い症状です。でも、ほんの小さな変化が、自分自身を大きく前向きにしてくれる。それを今回の検診で改めて感じることができました。
これからも「焦らず、でも諦めずに」。このペースで、自分の体と気持ちを整えながら、日々を過ごしていこうと思います。
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