頑張りすぎるHSPの僕へ|顔面神経麻痺が教えてくれた“思いやり疲れ”との付き合い方

“頑張りすぎるHSPの僕へ|顔面神経麻痺が教えてくれた“思いやり疲れ”との付き合い方

顔面神経麻痺になってから、何度も思いました。
復帰した今も、思っています。

「なんでこんなに疲れてるんだろう?」
「疲れてるって、どういう状態だったけ?」
「前のあのどうしょうもないイライラはストレスから来てたんだ」
なんて考え事をしています。

発症からしばらくの間、体力的に動けない日もありました。でもそれだけじゃなくて、朝起きるのも億劫だったり、誰かと話すだけでぐったりしたり。
薬の副作用?麻痺の影響?それとも…ただの“疲れ”?

でも、だんだん気づいてきたんです。
1人で家で半日とか「無」になって横になったあとがすっごく身体が軽くなることに。
これは“身体の疲れ”だけじゃなく、“心の疲れ”もあるんじゃないかと疑いだしました。


「すみません」が口ぐせだった

僕はもともと、人の気持ちに敏感なタイプです。
目の前の人が困っていないか、嫌な思いをしていないか、空気の温度にすぐ反応してしまう。

仕事でも家庭でも、「こう言ったら相手はどう思うかな」と無意識に考えて動くことが多くて。
相手のために、少し頑張ってしまう。
それが当たり前で、自然なことだと思っていました。

でも療養中、ふと気づいたんです。
僕、「すみません」「ごめん」って、よく言ってるなって。
妻にも、職場の同僚にも、子どもにも。
休んでいても、旅行に行っても、「こんなことしてていいのかな」って。罪悪感を感じていました。

それってもう、思いやりを超えて、“思いやり疲れ”になっていたんじゃないかと思うんです。


家にいても、気を遣ってしまう

休養期間中、家で過ごす時間が増えました。
でも正直に言うと、家でも気が休まらなかったんです。

たとえば、妻が息子を見てくれているとき。
「今のうちに洗濯をしなきゃ」「食器を片付けなきゃ」「掃除をしておこう」
無意識のうちに、自分が動かなきゃと思ってしまう。
「妻が頑張ってるのに、自分だけ横になるのは申し訳ない」
そう思って、体を休めることにすら罪悪感がありました。

妻は「休んでいいよ」と言ってくれているのに、
「私が頑張ってるのに、何寝てるの?」と思われているような気がして、
そう“思わせないように”自分が先に動いてしまう。
結局、休むことができない――これは体よりも心が休めていなかった証拠だったと思います。


職場でも、気づきすぎる癖

職場でも同じでした。
誰も気づいていない、別に今やらなくてもいい仕事を、僕だけが気づいて、率先してやってしまう。
気づいた以上、やらずにいられない。

でもそれって、ただ仕事が増えていく一方なんですよね。
誰かに感謝されることもなく、どこかで「またやってくれるだろう」と思われて、
どんどん“やるのが当たり前”になっていく。

でも今回、病気でしっかり休養をとったことで、思い切ってそれらを全部やめました。
復帰して1週間。
以前のような“気づいたら動く”スタイルは、ほとんどしていません。
それで何か失ったか?――何も失っていない気がします。

むしろ「ちゃんと休むこと」によって、仕事も、人との関係も、ちょうどいい距離感でできている。
気づいても、全部を拾わなくてもいい。
それでも大丈夫なんだって、今なら思えます。


HSPという気質

HSP(Highly Sensitive Person)という言葉を知ったのは数年前でした。
今回顔面神経麻痺になり、人生や性格を振り返るうちにまたHSPという言葉に出会いました。

「刺激に敏感」「人の感情に共鳴しやすい」――まるで自分のことのようだと感じました。
同じ言葉でも立場や状況によって、感じ方が全然違うなぁ。と思いました。

そして最近思います。
「疲れやすいのは、自分が弱いからじゃなかったんだ」と。

人の気持ちに敏感に反応するって、それだけでエネルギーを使うんです。
でも、その感受性って決して悪いものじゃない。
それは“優しさの才能”だと思うんです。

ただ、その優しさを「外にだけ」向けていたら、やっぱりしんどくなる。
だからこれからは、思いやりの半分を自分にも向けてあげたい
と思っています。


“整える”という思いやり

誰かを気遣うように、自分にも気を遣ってみる。
誰かのために一息つくように、自分のためにも立ち止まってみる。

「思いやりを、自分にも」

そう思えるようになったことが、僕にとってこの療養期間で一番の“回復”だったのかもしれません。

弱っていたからこそ、気づけたこと。
何もできない時間がくれた、小さな大事な贈り物。

そしてこれからまた、少しずつ走り出していこうと思います。
「疲れたら、立ち止まってもいい」
「自分が、よければそれで良いし。自分が嫌ならそれは嫌」
そんな合図を、自分に送りながら、自分の反応をみながら過ごして行きたいと思います。

本日も最後まで読んでくださりありがとうございます。

コメント

タイトルとURLをコピーしました